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吉田 勝; Hendri, J.*; 前川 康成; 久米 民和; 片貝 良一*; Said, A. E. A.; Hegazy, E. A.
Chitin and Chitosan; Chitin and Chitosan in Life Science, p.43 - 46, 2000/00
キトサンは酸性水溶液に溶解する。この条件下で線照射を行った場合、キトサンは分解することが知られている。しかしながら、キトサンのアミノ基を、あらかじめカルボキシル基を含む重合性単量体と水素結合させたのち放射線照射すると、重合と架橋反応が起こり、キトサンを含む架橋構造型多孔性ゲルが得られたことを見いだした。このゲルのpH特性を調べたところ、37の場合、pH5でゲルの膨潤挙動が変化することがわかった。そこで、このpH応答性とキトサンの持つ抗菌性を組み合わせ、薬物を経皮から吸収されるためのゲル膜として薬物放出をインドメタシンを用いて検討した。その結果、薬物透過は、pH7で極大を示すことが判明した。
小林 大四朗*; 津布 久悟*; 山中 英寿*; 浅野 雅春; 宮嶋 勝春*; 吉田 勝
Drug Development and Industrial Pharmacy, 24(9), p.819 - 825, 1998/00
被引用回数:23 パーセンタイル:61.1(Chemistry, Medicinal)生分解性ポリD,L-乳酸粒子中にテストステロン(男性ホルモン)を溶媒蒸発法を用いて包含した。次いで、in vivo分解挙動を調べるため、この素材をウイスター系ラットの背中皮下に埋め込んだ。病理組織学的観察の結果から、埋込の開始から10日後に、材料が完全に分解することが分かった。また、75-150mの粒径をもつ粒子からのテストステロンの放出は、6週の期間にわたって持続した。この所見は前立腺臓器の重量変化及び血中薬物濃度の結果からも示唆された。
not registered
PNC TJ1533 97-003, 89 Pages, 1997/03
本調査研究の目的は、作業者に対する緊急時医療について、国内外の情報収集と技術的・制度的な観点からの検討を行い、それらの結果を踏まえて、事業者および関連医療機関の関係者向けの実務的な緊急時医療処置マニュアル作成のための検討を行うことである。本年度は、上記目的達成のための第二段階として、DTPA療法を中心とした具体的な医療処置法および放射線管理上の対応に関する国内外の情報を収集し、以下の調査研究を実施した。(1)文献調査内部被ばく時の診断治療法と症例、DTPAの有効性、BNFLセラフィールド事業所のプロトコールなど、海外関連文献の調査を行った。(2)実用再処理施設における内部被ばく医療処置の現状に係る海外調査実用再処理施設を有するフランス、イギリスにおける内部被ばく医療処置の現状を把握するため、DTPAの投与事例、安全性、投与法、投与基準、モニタリング手法および施設における除染処置室などを実地に調査した。(3)内部被ばく緊急時医療処置マニュアル作成のための検討上記の調査結果などを踏まえ、プルトニウムとアメリシウムによる内部汚染を対象とした具体的な医療処置法および関係者向け説明資料などを含め、緊急時医療処置マニュアル作成のための検討を行った。
宮嶋 勝春*; 吉田 勝; 佐藤 宏*; 大道 英樹; 片貝 良一*; Higuchi, W. I.*
Radiation Physics and Chemistry, 46(2), p.199 - 201, 1995/08
被引用回数:6 パーセンタイル:54.93(Chemistry, Physical)パルス的に薬物を放出できる機能性ゲルを放射線法で調整する目的で、14C付近で体積相転移を伴う温度応答性アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)ポリマーゲルに疎水性のスチレン成分を放射線共重合法により導入し、さらにヘルペスウイルスの治療薬として知られている9--D-アラビノフラノシルアデニン(Ara-A)を包括させた。このゲルは、電子顕微鏡観察の結果から、筆者の命名したポンプ型マトリックスであることがわかった。ゲルからのAra-Aの放出性能を、10Cと37Cの間でサイクルさせて調べたところ、パルス的に薬物が放出されること、放出量はそれぞれ11ng/hと33ng/hとなることがわかった。このような薬物のパルス的放出は、ゲルに含まれるsf組成により制御できる見通しを得た。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 12, p.433 - 437, 1991/05
被引用回数:34 パーセンタイル:86(Engineering, Biomedical)16900~41300の重量平均分子量(Mw)をもつ無定形ポリ(L-ラクチド-Co-グリコライド、70:30mol%)を触媒の存在下開環重合によって調製した。この場合、分子量は分子量調節剤(ラウリルアルコール)を用いてコントロールした。このポリマーのin vivo分解パターンはS-型を示す。前立腺治療薬をMw=24000のポリマー中に包括し、in vivo分解とin vivo放出の関係を調べた。その結果、ポリマーからin vivoにおいて放出した薬物の累積放出量はポリマーの分解パターンとよく対応することが分かった。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
Int. J. Pharm., 67, p.67 - 77, 1991/00
被引用回数:31 パーセンタイル:78.12(Pharmacology & Pharmacy)放物線型のin vivo分解パターン(5週で100%分解)をもつ低分子量DL-乳酸ポリマー(Mn=1400)とS字型の分解パターン(10週の誘導期間)をもつ高分子量DL-ラクチド(Mn=11500)を溶融混合した。黄体形成ホルモン・放出ホルモン拮抗体(LH-RH agonist)をブレンドポリマーに包括し、ポリマーのin vivo分解における誘導期間と包括系からのLH-RH agonistの放出パターンの関係をラット背中皮下埋入実験によって調べた。薬物の初期多量放出(バースト現象)は、高分子量ポリマーをブレンドすることによって抑制され、結果的に最も長期間にわたっての一定持続放出が75%高分子量ポリマーも含むブレンドポリマー系で認められた。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
J. Biomed. Mater. Res., 25, p.315 - 328, 1991/00
被引用回数:17 パーセンタイル:57.5(Engineering, Biomedical)グリコール酸(GA)とラクトン(BL:-グチロラクトン、VL:-バレロラクトン、CL:-カプロラクトン)からなる低分子量ポリエステルを無触媒系の縮合反応によって合成し、ドラッブデリバリーシステムへの生分解型ポリマーとしての用途を検討した。85mol-%GA含有ポリマー(Mn=2900100)は、いずれの系においても、結晶・固体で放物線型のin vivo分解パターンを示した。これに対し、非結晶・ペースト状ポリ(GA/CL、50/50mol-%)のin vivo分解パターンは、ポリマーの分子量が増加すると、放物線型直線型S-字型へと変化した。[Leu、des-Gly]-LHRHエチルアミド(前立腺癌治療薬)を、これらのポリマー中に包括し、担体のin vivo分解過程での薬物の放出挙動および薬理効果について、ウイスター系ラットを用いて検討した。放物線型分解パターンをもつポリマー系からの薬物の放出は初期にバースト現象がみられた。しかし、このバースト現象は、S-字型のそれぞれでは、著しく抑制された。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 11, p.441 - 446, 1990/08
被引用回数:13 パーセンタイル:57.32(Engineering, Biomedical)70%L-乳酸(LA)を含む低分子量・無定形コポリエステルを種々のDL-オキシ酸(DL-LA:DL-乳酸、DL-HBA:DL--ヒドロキシ-n-酪酸、DL-HIVA:DL--ヒドロキシ-iso-吉草酸、DL-HICA:DL--ヒドロキシ-iso-カプロン酸)と無触媒下で直接脱水縮合させることにより合成した。ドラッグデリバリーシステムの生分解型担体としてのこれらのポリマーのin vivo性能は動物実験によって評価した。その結果、in vivo分解パターンは、担体の種類によって、放物線型(LA/DL-HBA)、直線型(LA/DL-LA)、そしてS-字型(LA/DL-HIVA、LA/DL-HICA)からなることが分かった。ポリマー複合体からの薬物の一定速度でのin vivo放出は、LA/DL-HICA系が最も効果的で、約15週の期間にわたって45g/dayの速度で維持された。この効果は血中薬物濃度および薬理作用の結果から示唆された。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Makromol. Chem., 191, p.731 - 736, 1990/04
Mn=1600-4800の非晶性コポリマーをL-乳酸(LA)とDL-ヒドロキシイソカプロン酸(HICA)の無触媒・直接脱水縮合反応によって合成した。このコポリマーはdrog delivery systemへの応用に対し生分解型材料として有用である。この場合、in vivo分解パターンはポリマーの分子量と密接に関係しており、分子量の増加によってそのパターンが放物線型からS-字型へと変化することが分かった。LH-RH類似物質(des-Gly-[D-Len]-LH-RH ethylamide)を圧融着法によって針状に成形したポリマー中に複合化し、その複合体針のin vivo性能を動物実験から評価した。S-字型分解・放出パターンからなるCopoly(LA/HICA,70/30mol-%)(Mn=2200)複合体針の場合、血清薬物濃度は15週の実験期間を通して、約3.5ng/mlで一定レベルを維持した。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 10, p.569 - 573, 1989/10
被引用回数:37 パーセンタイル:92.86(Engineering, Biomedical)Mn=1800をもつ結晶・非晶性コポリマーをD-乳酸とL-乳酸の直接脱水共縮合によって合成した。このコポリマーは、主鎖にエステル結合をもつため、エステラーゼ酵素作用によって分解する。des-Gly-(D-Leu)-LH-RH ethylamideを、このコポリマー中に圧融着によって包含した。薬物のin vivo放出性は、コポリマーの結晶構造に強く依存し、結果的に非晶コポリマーからのin vivo放出が結晶コポリマーのそれより長期間にわたって調節可能であることが分った。逆に、担体自体のin vivo分解性は、非晶コポリマーの方がはやい。これは、薬物の分散状態の違いによって説明できる。すなわち、担体の分解は非晶部分から優先的におこるのに対し、薬物は結晶部分に分散していないためである。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
Journal of Controlled Release, 10, p.293 - 303, 1989/00
Mn=1500-2600のCopoly(L-lactic acid/-valerolactone)(copoly(LA/VL))をDDSのための生分解性担体として用いるため、無触媒下で直接脱水縮合によって合成した。LA組成を関数として、固体状(100-80mol-%LA)、ペースト状(70-30mol%LA)、そしてワックス状(15-0mol-%LA)ポリマーを得た。Rhizopus delemer lipaseは最も高い分解活性を示した。この場合、ペースト状ポリマーの分解速度は、固体、ワックス状ポリマーのそれより著るしく速い。estradiol-17のnitrogen mustard誘導体であるestramustineをMn=2500をもつcopoly(LA/VL、70/30mol-%)(ペーストポリマー)の中に均一分散固定した。この系は、in vivo実験系において、埋入から5週目で完全分解消失する。rat prostateにおよぼす薬理作用は、5週の期間にわたって観察された。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 今井 強一*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*; 若林 克己*; 山崎 巖*
Polym.J., 18(4), p.287 - 296, 1986/00
被引用回数:9 パーセンタイル:51.88(Polymer Science)低温放射線注形重合法によって、疎水性diethylene glycol dimethacrylate/親水性polyethylene glycol #600 dimethacrylateからなる80/20 vol-%組成のメタクリル酸コポリマー中にdes-Gly-[D-Leu]-LH-RH-ethlamideを包含する。上述の薬物は水に可溶である。一般にポリマー中に単純分散状態で包含されている薬物のin vitro放出パターンは時間を関数とした時、イクスポネンシャルな減少傾向を示す。本稿では、コポリマーからの薬物の放出に見掛け上zero-order mechanismを付与するため、薬物を錠剤化(加圧下)し、それの上下に適当なフィルター膜を重ね合わせ、さらにメタクリル酸コポリマーによって含浸包含することを試みた。例えば、Whatman No.1フィルター膜を用いた場合、複合体からの薬物のin vitro放出パターンは見掛け上zero-order mechanismをとり、250日間の試験期間にわたって16g/dayの一定値を保持した。これはradioimmuno assayから測定したserum薬物濃度の値からも示唆される。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 山中 英寿*; 中井 克幸*; 志田 圭三*
高分子論文集, 41(3), p.145 - 150, 1984/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.35(Polymer Science)ポリエチレングリコール(Mn=1900-2100)を含む徐放性テストステロン複合体を去勢したウイスター系ラットの背中皮下に最高で90日間にわたって埋入した。埋入から7,30,90日目に複合体から放出されたテストステロンのin vivo累積量は各々498,2120,6913gであった。これはポリエチレングリコールを含まない複合体系のin vivo累積放出量より約3.2倍増加した。一方、ポリエチレングリコールを含む複合体系のin vivoとin vivoにおける累積放出量を比較した場合、in vivoより約2倍高い値を示した。このことから、ポリエチレングリコールが生体組織内における薬物の透過・拡散(輸送)を促進する物質として働いていると結論した。これは血清テストステロン濃度および前立腺腹葉の重量変化を尺度とした薬理作用の結果からも示唆される。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 鈴木 孝憲*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*
Biomaterials, 4, p.33 - 38, 1983/00
被引用回数:17 パーセンタイル:68.39(Engineering, Biomedical)長期間にわたって緩徐な薬物溶出性能をもつ複合体を低温過冷却状態においてガラス化性モノマーの放射線重合によって試作した。複合体からのTSSのin vitro溶出はmatrix-controlled processに従うことが見出された。この場合、drug deliveryの速度は担体の親水性に依存し、含水率が増加するほど増加した。in vivo実験の場合、複合体は30日間の試験期間にわたって去勢したウイスター系ラットの背中の皮下に埋入した。TSSのin vivo速度はin vitroのそれに比べ抑制された。この抑制作用は担体の親水性とよく対応していることが分った。一方、ラットにおける生理学的機能はTSS包含複合体を用いて前立腺腹葉の重量およびserum中の薬物濃度を測定することにより検討した。前立腺腹葉の重量は薬物の溶出速度の増加に伴ない直線的に増加する傾向を示した。またserum中の薬物濃との間にもよい対応関係が認められた。さらに担体自体の生体適合性に関する評価も試みた。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 志田 圭三*
高分子論文集, 40(9), p.525 - 530, 1983/00
被引用回数:5 パーセンタイル:38.39(Polymer Science)100kg/cmの圧力下で加熱溶触処理の後、線照射した-グロブリン担体をWistan系ラットの背中皮下に埋入した。この担体のin vivo分解は埋入開始から90日目で約1.9%であった。一方、0,0.005,0.01そして0.1W/V%のペプシン溶液を用いた時の担体の37Cでのin vitro分解は媒液に浸漬してから90日目で各々1.2,31.4,45.7そして53.9%に達した。これらの結果に基づいて、テストステロンを加圧加熱溶触処理の後、線照射した-グロブリン中に複合化した。この場合、担体自体のin vivo分解は薬物の共存によって著しく加速され、90日目で57.4%にまで達した。薬物のin vivo溶出持続期間は本研究の場合、60日が限度であった。さらに、テストステロンのin vivo溶出と薬理作用の関係についても検討した。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*
医学のあゆみ, 122(2), p.103 - 104, 1982/00
テストステロン(T)含有ポリマーマイクロスフィア(PMS)を低温放射線サスペンジョン重合によって試作した。分散保護剤にPVAおよび-グロブリン(GB)を使用した。PMSの粒度分布をcoulter counterを用いて測定したところ、PVAを用いた時は150m付近に極大値をもつ比較的シャープな粒度分布を示すのに対し、GB系では極大値が小粒子側に移り(90m付近)、その分布はブロードであった。GB系におけるPMSからのTの溶出量は30日目でin vitroが19.8mg、in vivoが9.9mgであった。in vivoにおける薬物の溶出抑制は粒子表面に粘着した生体細胞によって拡散抵抗が増大したためと思われる。このPMSから放出されたTの生物学的作用(physiological response)は四中濃度および前立腺腹葉の重量変化を測定することにより検討した。その結果、本研究に用いたPMSは30日以上にわたる薬物の溶出性能と薬理作用をもっていることが分った。また、同時に素材の生体提合成についても評価を試みた。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲
高分子論文集, 39(10), p.621 - 628, 1982/00
被引用回数:6 パーセンタイル:40.9(Polymer Science)薬物-タンパク質粉末混合物を100kg/cmの圧力下で加熱溶融ののち放射線照射によって橋かけ構造をもつ複合体を試作した。ペプシン酵素を含む緩衝液(pH1.8)を用いて-グロブリン複合体を消化(分解)させながら、その複合体からのテストステロンの放出特性を調べたところ、試験開始後8日目での薬物の累積放出量は加圧-加熱溶融複合体系が約90%であるのに対し、照射複合体のそれは約67%であった。したがって、薬物の放出は酵素消化系の場合、放射線照射によって抑制される傾向を示すことが分った。また、照射した担体のペプシン消化はタンパク質の種類および起原によって著しく異った。すなわち、照射によって消化が加速される担体、逆に消化が抑制される担体さらに消化が照射に影響されない担体を見出した。これらの複合体からのテストステロンの放出は上述した担体の消化性とよく対応することがわかった。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲
Polym.J., 14(12), p.941 - 950, 1982/00
被引用回数:13 パーセンタイル:61.95(Polymer Science)親・疎水ビニルコモノマーを低温放射線共重合させ薬物含有複合体を試作した。この複合体からのテストステロンのin vitro溶出は担体組成により10~200g/dayの範囲で調製できた。またこの速度は400日(実験期間)にわたって一定であった。in vivo実験は90日間にわたって去勢ラットの背中皮下に埋入することによって行った。コポリマー系の場合、in vivoとin vivoの溶出の違いは殆んどnegligibleであった。ホモポリマー系の場合、ラット細胞(組織)の複合体表面への粘着が観察された。この粘着層はポリマーの親水性が増加すると増加した。そして、この細胞粘着は複合体からの薬物のin vivoの溶出速度を抑制させた。しかしながら、親疎水コポリマー系では上述した細胞粘着は観察されなかった。これらのコポリマー系について、in vivo劣化性、および生体適合性についても検討を試みた。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲
薬剤学, 42(3), p.137 - 145, 1982/00
薬物を含有した徐放性ポリマーマイクロスフィアはガラス化性ビニルモノマーの低温放射線サスペンジョン重合によって合成した。このスフィアの粒度分布はモノマーの種類によって異なり、モノマーの粘度が増大すると薬物の取込み率が増大し、そして粒度分布の極大値は粒子径の大きい側に移行する傾向を示した。TMPT(43cps)モノマーを用いた時、ポリマー中に取込まれた薬物量は74%で、この時粒度分布は105-210m付近に極大値を示した。一方、NPG(4cps)モノマーにおける上述した値は、各々12%と44-105mであった。TMPTポリマーマイクロスフィアからの薬物の溶出率は、例えばMMCのような水溶性薬物であると30日後に90%が、そしてテストステロンのような水に不溶な薬物の場合では、40日後に約40%が一定速度で溶出した。従って、本研究のスフィアからの薬物の溶出は長期間にわたって可能であると結論した。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
J.Pharm.Sci., 68(5), p.628 - 631, 1979/00
被引用回数:20-78Cのような低温において、ガラス化性モノマーを放射線重合することにより微粒子状カプセルを合成した。このようなカプセルはポリメチルメタアクリレートなどのポリマーを系中に共有させることにより得られる。この場合、粒子状モノマー表面は低温で沈澱折出するポリマーによって見かけ上被覆されるため、モノマー同士の凝固がおこらないと考えられる。完全な球状カプセルはエタノールを冷却溶媒とした時に得られた。このカプセルから薬物の除放性はUSPXIXに準じ、37C,100rpmでおこなった。薬物の溶出速度はガラス化性モノマーの重合物の親水性が増加すると増加する傾向を示した。一方、このカプセルにポリエチレングリコール600を用いて多孔質構造を与えた場合、溶出速度は、さらにはやくなることが明らかとなった。